vanuatu6

　みなさん、こんにちは。石原郁子です。
　今日は4月16日イースターサンデイです。キリストの復活を祝う祭りで、人口の８０％以上がクリスチャンのこの国ではクリスマスに次いで大きな祝日のようです。私たちのアパートにはオーストラリア人夫婦3組が住んでいますが、毎年彼らはどこかに行ってしまって、3週間ほど帰ってきません。昨年に続き、私たち二人だけがポツンと取り残されてしまいました。
　四月の中旬になるのにまだ30度近い暑い日が続いています。雨もよく降るので、余計に蒸し暑く、このバヌアツ生活で私は一生分の汗をかいてしまったような感じです。

　◎新大使
　3月2日新しい特命全権大使(在フィジー）がバヌアツにこられました。バヌアツには日本大使館がありません。バヌアツ在住の日本人と親しく歓談される昼食会が、日本料理店の「乾杯」でありました。
　25人位出席し、そのほとんどはJICA関係者です。平日と言うこともあり、お昼休みの2時間がそれに当てられました。カジュアルな服装でという要請もあり皆さんラフなスタイルです。中には、バヌアツに来て以来はじめてネクタイをした人や、靴下をはいたと言う人もありました。無理もありません。マラポワカレッジのT校長ですら、いつも短パンにゴム草履というスタイル・・・というところなのですから・・・。大使は背が高く、紺色のスーツをキリッと着こなしておられました。K女史専門家の話によると｢昼間のアツ～い現場視察のときも、きちんと背広を着ておられ、決して脱がれることはない」とのこと。私の受験時代によく聞かされた「心頭滅却すれば火もまた涼し」を地でいっておられるようです。
　ビュッフェ形式の昼食も和やかな懇談も終わり、迎えの車に乗ってさっそうと帰って行かれました。平日の昼休みとあって出席者の皆さんはそれぞれ職場に戻りました。「かっこいいね」「さすが心得が違うね」ナンテいいながら私も自宅に戻りました。

　　　ここで一句
　　　　　「ワイシャツの下はきっと　金太郎」
　
　◎エスプリッツサント島小旅行
　３／１７日から19日までの3日間、サント島に出かけました。この島に住む同じSVのA夫妻が任期満了で帰国されることになり、それまでに一度お訪ねしたいと思っていたからです。
　7:05am発エアーバヌアツのプロペラ機で約1時間のフライト。大小の島々が真っ青な海に浮かんでいます。雲の上から見るバヌアツの島々は、丸いのやら、魚の形をしたのやらと見飽きることがありません。さんご礁の海岸に打ち寄せる白い波、ダークグリーン、ブルーグリーン、ペイルグリーンと深さによって変わる海の色など自然の作り出す美しさにすっかり魅せられてしまった1時間でした。
　1606年、ポルトガル人のペドロ・フェルナンデスによって［精霊の島」　となずけられたエスプリッツサントはバヌアツ一の大きな島（４０１０ｋ㎡）です。私たちの住むエファテ島から北北西約２５０kmで、一年中２０℃を下回ることはほとんどありません。島の中心地はルーガンビルです。まずこの道路の広さと静けさに、びっくりしてしまいました。私が幼い頃住んで見ていた大阪市の御堂筋のイメージそのものです。今の御堂筋は先進国のそれですが、このルーガンビルの道路は左右の商店やビルなどの規模が小さすぎて滑稽に思われるほどダダッ広いのです。又車などの往来もまれで、昔見た風景そのもので懐かしくもあり、取り残されたような物悲しさに包まれてしばし茫然としてしまいました。この広い道路は第二次大戦の時、アメリカ軍が飛行機の離発着のためにつくったのだそうです。この地で戦争はおきませんでしたが、ガソリン切れで落ちた飛行機の残骸や、クーリッジ艦（１９３１年アメリカで第二番目の大きな豪華客船・長さ２００ｍ・が、第二次大戦で兵士の輸送船になったもの）が自国の水雷に当たって沈没した（現在ダイビングポイントとなっている）のや、アメリカ軍が棄てて行った武器の数々（ミリオンダラーポイント）を見ると、基地の島として利用されたサント島の歴史や、ガダルカナルで全滅した日本軍とを思う重い一日になりました。
　私たちはツァーに乗り（お客は私たち二人だけだった）上記以外にロノックビーチやブルーホールや広大なココナッツプランテーション(日本の企業、日畜株式会社が経営している。ココナツだけでなく畜産も）などを見てまわりました。又島の西半分は未だ未開のジャングルで原住民たちが昔のままの生活をしていることをしりました。
　その日はホテルサントに泊まりました。こじんまりしたホテルです。正面の入り口前に、大きな豚の置物がありました。表情がかわいいので思わず上に乗ったところの写真をとりました。その時思い出したのは、これも昔々、私が小学生の頃「イルカに乗った少年」と言う映画音楽です。♪♪遠いギリシャの海に眠るイルカに乗った少年～　　人は呼んでいる～　いつかあるひ、その少年が・・・～♪♪　　　いまでもよく口ずさんでいます。ソフィアローレンの野性的な若いきれいな姿を思い浮かべながら・・・
　　
　　それではここで又一句
　　　　　「豚さんに乗って夢見る６０歳」。

　　◎アロイ・ピリオコ氏のギャラリーを訪ねて
　観光開発のSV、N氏の呼びかけで４月１５日パンゴ村にあるポリネシア人芸術家、アロイ・ピリオコ氏のギャラリーを訪ねました。
　ポートビラ市内でしばしば見かけるユニークな壁画でも有名で,ロシア人画家ニコライ・ミシュトシュキン氏の弟子でもあります。門を入ると長々と続くうっそうとした植物のアプローチ。オブジェや所狭しと並べられた小物たちに施された特徴ある原色使い。猫好き　なのでしょう、彼の作品のなかには愛猫の絵がいっぱいでてきます。
　日本のゆかたのような服を着て、おおきなおなかの、笑顔の素敵なピリオコ氏に迎えられました。３階まで彼の作品でいっぱいです。トイレの中までびっしりありました。家のすみずみまで原色の彩色が施され、さながらお菓子の家に迷い込んだよう・・・。みんなアレコレ思案し選んでいましたが、今回は見るだけにして帰ってきました。

　　ここで又一句
　　　　「ピリオコは、遊びをせんとやうまれけむ」