バヌアツだより NO.23 2006.1.15発行

 みなさま、新年明けましておめでとうございます。
 石原@JICASVです。
 ザンビアで2回、バヌアツで2回、私にとっては4回目の夏のお正月です。ザンビアとバヌアツはともに南半球のほぼ同緯度にありますが、ザンビアは高地で湿度も低いため、夏と言っても気候はとても爽やかです。しかし、バヌアツの夏は日本の夏に近く、とても蒸し暑いです。でも、お正月に咲く花は同じで、ザンビアではフラン・ボイヤント、こちらではクリスマス・フラワーと呼ばれる火炎樹の花があちこちで咲き誇っています。
 バヌアツ人はほとんどがクリスチャンなので、お正月よりクリスマスの方を盛大に祝うようです。唯一お正月らしいものと言えば、大晦日のカウントダウンに合わせて、ポートビラで打ち上げられる数十発の花火くらいです。1年前は同じアパート人たちと庭のあづまやで年越しパーティーをしながら見たのですが、今年はみんなオーストラリアに帰省してしまって、私たちは夫婦二人きりでアパートのベランダからさびしく鑑賞しました。
 お正月の用意としては、30日に2kgくらいの大きな鯛を1匹買いました。こちらでは鯛は高級魚ではなく、プレ(赤ムツ)の半値くらい、約千円で買えました。大晦日は暇なので、二人でパンゴ・リゾートというビラに一番近いリゾートに泳ぎに行きました。ここは宿泊すると1泊25000円くらいするのですが、ランチを食べるといえばプールもシャワーも使えます。ここの海岸は外海に面しているので、沖に行くと波が荒いのですが、浜から200〜300mは遠浅になっていて波も静かです。
 妻はここで始めてシュノーケリングに挑戦しました。妻はこれまで海で泳ぐことが余り好きではありませんでした。日焼けするのがいやだからか、海に行っても長袖のブラウスで完全武装し、木陰で本を読んでいるのが常でした。「バヌアツに来て海に入らないなんてもったいない」「もう嫁に行かなくていいのだから、少々焼けてもいいじゃない」と薦めるのですが、いっこうに聞き入れませんでした。でも、先日やってきた大塩夫妻に刺激されたのか、今回は自分からやってみたいと言い出しました。
 ここの海はあまりきれいな魚はいないのですが、それでも妻にとって初めての海中の風景はとても感動的だったらしく、シュノーケリングがとても気に入ったようでした。私たちには共通の趣味と言えるものがないので、ぜひシュノーケリングを共通の趣味にしたいと思い、今度はハイダウェイに行こうと誘いました。ハイダウェイはダイビングの出来る島ですが、シュノーケリングでも結構きれいな魚を見ることができます。私はそれまでにハイダウェイに5回行きました。うち3回はダイビング、2回はシュノーケリングを楽しみました。2回目のシュノーケリングのときに、海岸から近い浅瀬にアネモネ・フィッシュがいることを発見しました。このアネモネ・フィッシュをぜひ妻に見せたいと思って誘ったのですが、作戦は大成功。当日は天気がよく、海中がとてもきれいに見え、アネモネ・フィッシュも見ることができ、妻はすっかりシュノーケリングのとりこになってしまいました。
 アネモネ・フィッシュはサンゴ礁の浅瀬にイソギンチャクと共生して住んでいる魚です。ディズニーのDVDのニモはこのアネモネ・フィッシュです。赤い魚体に黒くて大きな目、頭部にはペンキで塗ったような白いライン、かわいいと同時に自然の造形の不思議さ・巧みさをつくづく感じます。私はなぜかアネモネ・フィッシュを見ると松田聖子を連想してしまいます。
 私はこちらに来て水中写真を始めましたが、いっこうに上達しません。私はオリンパスのμ30をハウジングに入れて写真を撮っていますが、水中ではモニター画面がほとんど見えないので、手加減で被写体にカメラを向けシャッターを切ります。だから被写体が画面の中央に入っていない写真が多いです。それと、シュノーケリングで撮るので、深いところにいる魚は上から撮ることになり、いい写真が撮れない。ダイビングだと魚に真横から接近して撮れるのですが、耳抜きや中性浮力の調節に必死でとても写真どころではありません。
 今後撮りたいのはやはりアネモネ・フィッシュです。絵葉書のような写真は10年かかっても撮れないと思いますが、帰るまでに1枚だけでも納得できるアネモネ・フィッシュが撮れたらと思っています。
 ということで、今回は私の未熟な水中写真を公開しました。

 
   
スズメダイ(ハイダウェイ)     ブルーライン・サージョン(ハイダウェイ) 
  
 ピカソ・フィッシュ(ハイダウェイ)       チョウチョウウオ(ハイダウェイ)

アパートの庭の火炎樹


パンゴ・リゾート


チョウチョウウオ(パンゴ・ビーチ)


正月のハイダウェイ


アネモネ・フィッシュ(絵葉書より)


アネモネ・フィッシュ(ペレ島で)


おしい!これが中央だったらなぁ


おしい!本体のピントがあまい!


おしい!上からの写真